COLUMN

研修コラム

外国人介護人材の介護福祉士合格者が増加 ~特定技能から国家資格取得へ。定着とキャリアアップの時代が始まる~

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介護業界では深刻な人手不足が続くなか、外国人介護人材への期待がますます高まっています。

その中でも注目されているのが、外国人による介護福祉士国家試験の合格者数の増加です。
厚生労働省が公表した資料によると、外国人介護人材の介護福祉士国家試験受験者数は年々増加しており、介護現場で長く活躍する専門職としてのキャリア形成が進んでいます。特に近年は、EPA介護福祉士候補者だけでなく、技能実習生や特定技能外国人から介護福祉士資格を取得するケースも増えています。

介護福祉士国家試験とは

介護福祉士は、日本で唯一の国家資格である介護職の専門資格です。
介護福祉士になると、
・身体介護
・認知症ケア
・医療的ケアの補助
・後輩指導
・チームリーダー業務
など、より専門性の高い介護業務に携わることができます。

介護施設にとっても、介護福祉士資格を持つ職員はサービス品質向上の重要な存在です。介護福祉士国家試験全体の受験者数は近年8万人前後で推移しており、2026年1月に実施された第38回介護福祉士国家試験では、
受験者数:78,469人
合格者数:54,987人
合格率:70.1%
となっています。

介護福祉士国家試験全体の合格率は長期的に上昇傾向にあり、近年は70%前後の高い水準で推移しています。

外国人受験者は着実に増加

外国人介護人材のルートは大きく分けて、
・EPA介護福祉士候補者
・介護分野の技能実習生
・特定技能外国人
・留学生(介護福祉士養成施設)
などがあります。

近年は特定技能制度の拡大により、特定技能外国人が介護福祉士取得を目指すケースが増えています。
厚生労働省の発表によると、第38回試験では

特定技能1号
受験者数:10,406人
合格者数:3,435人
合格率:33.0%

技能実習
受験者数:517人
合格者数:227人
合格率:43.9%

という結果になっています。特に特定技能1号は前回の37回から受験者数が5,474名増加と倍以上の伸びがありました。

国家試験の難易度を考えると、今後さらに学習支援の重要性が高まることがわかります。

なぜ介護福祉士取得が重要なのか

介護分野の特定技能1号は在留期間が通算5年までです。一方で介護福祉士資格を取得すると、在留資格「介護」への移行が可能になります。

在留資格「介護」には、
・在留期間更新の上限がない
・家族帯同が可能
・長期的なキャリア形成が可能
という特徴があります。

つまり、「特定技能で来日し、介護福祉士を取得して日本で長く働く」というキャリアパスが実現できるのです。

介護分野の特定技能外国人数は約6.8万人

特定技能制度全体では約38万人の外国人が在留していますが、その中でも介護分野は主要な受け入れ分野の一つです。
令和7年12月末時点では、介護分野の特定技能外国人は67,871人となっています。これは飲食料品製造業に次ぐ規模であり、介護業界が外国人材に大きく支えられていることがわかります。

さらに政府は、令和6年度から令和10年度までの5年間で、介護分野13万5,000人の受け入れ見込数を設定しています。現在の充足率は約50%であり、今後も多くの外国人介護人材が日本で活躍することが予想されます。

介護人材に求められるのは「現場で使える日本語」

介護福祉士国家試験では専門知識だけでなく、日本語で出題される問題を理解する力が求められます。
また、実際の現場では、
・利用者とのコミュニケーション
・ご家族への対応
・申し送り
・介護記録の作成
・緊急時対応
など、日本語力が介護の質に直結します。

特に介護福祉士を目指す外国人材には、JLPT対策だけでなく「介護現場で使う日本語」と「国家試験で求められる読解力」の両方が必要になります。

特定技能の介護分野でもキャリアアップの時代へ

これまで外国人介護人材は「人手不足を補う存在」として語られることが少なくありませんでした。しかし現在は、
・介護福祉士の取得
・在留資格「介護」への移行
・リーダー職への登用
・長期定着
を視野に入れた育成へと大きく変わっています。

採用だけでなく「国家資格取得まで支援できるか」が、これからの介護事業者に求められるテーマになっています。

まとめ

外国人介護人材による介護福祉士国家試験への挑戦は年々増加しています。特定技能から介護福祉士資格取得、そして在留資格「介護」への移行というキャリアパスは、外国人本人にとっても、介護事業者にとっても大きなメリットがあります。

これからの介護業界では、採用だけでなく日本語教育に国家資格取得支援、そして長期定着支援までを視野に入れた人材育成が、ますます重要になるでしょう。

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※情報・データ等はコラム公開時点のものです

厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71070.html